串田和美
Kazuyoshi Kushida
1942年東京・麹町生まれ。俳優、演出家、舞台美術家。
1966年、吉田日出子らとともに劇団自由劇場を結成(後のオンシアター自由劇場)し、アンダーグラウンドシアター自由劇場も運営。音楽劇『上海バンスキング』『もっと泣いてよフラッパー』、『スカパン』など数々の作品で人気を集める。
様々な劇空間を自由自在に使いこなす美術・演出を得意とし、役者自身が演奏をしたり、歌や音楽や芝居を混ぜた音楽劇、バーレスクやキャバレースタイル、シェイクスピアやブレヒト、歌舞伎まで作品は多彩。
85年~96年まで東京渋谷のBunkamuraシアターコクーン初代芸術監督を務め、劇場設計から参画。年末恒例のバーレスクショー『ティンゲルタンゲル』などレパートリーシステムの導入、また五代目中村勘九郎(十八世中村勘三郎)と共にコクーン歌舞伎を立ち上げ『夏祭浪花鑑』『三人吉三』『四谷怪談』『桜姫』『盟三五大切』など再演必至の人気演目を揃えた画期的な企画を興す。
2000年〜11年まで日本大学芸術学部演劇学科特任教授を務める。
03年4月まつもと市民芸術館初代芸術監督に就任し23年3月まで20年間務める。
主な劇場創造作品に『空中キャバレー』『K.テンペスト』『兵士の物語』『マン・イスト・マン』など。市民キャストとボランティアが参加する信州・まつもと大歌舞伎、FESTA松本など、街を巻き込んだ松本ならではの事業を次々と実現させ“演劇の街”とすることに貢献。
16年〜21年まで長野県芸術監督団・芸術監督を務め、旅公演をしやすいコンパクトな「トランクシアター・シリーズ」を始動し、蔵や学校など劇場を飛び出して県内各地での上演にも精力的に取り組む。また18年より信濃毎日新聞社松本本社・信毎メディアガーデンの企画プロデューサーも務め、『朗読と音楽・串田孫一』や演劇、コンサート、ディスカッションを催す。20年6月コロナ禍で劇場が次々に閉鎖されていく中で公園の四阿で上演した「独り芝居 月夜のファウスト」は大きな反響を集め、23年6月までの3年間で全国・ルーマニアを含め25ヶ所51公演巡演。
06年芸術選奨文部科学大臣賞、07年第14回読売演劇大賞最優秀演出賞受賞。08年紫綬褒章、13年旭日小綬章を受章。15年シビウ国際演劇祭でシビウ・ウォーク・オブ・フェイム賞を受賞。22年、長野県の芸術文化に貢献したとして信毎賞を受賞。
23年10月、自身や演劇の原点を捉え直し、更に探求し企画製作していく「フライングシアター自由劇場」を新たに立ち上げる。